皆さん、こんにちは。久しぶりにこのスタイルでの登場です。 ここではヒメツメガエルによく見られる水カビ病の治療についてお話しましょう。 よく病気は早期発見早期治療と言われますが、この水カビ病は即発見で 治療法や予後が非常に違ってきます。また、個体差も大きくかかわってきますので、 ここで紹介する治療法はほんの一例だと思ってください。 |
水カビ治療法 |
05年4月13日 水曜日 |
7年目のヒメツメのオス。前日まで見た目は何ともなかった。 2日前からほとんど食べなかったがよくあることなのでことさら何もしなかった。 考え難いが原因があるとすればマミズクラゲの影響か?? |
下の写真、脇のぼそぼその皮膚が見えますか? これは薬が効いて水カビが剥がれかけているのです。 なかなか良い兆候ですね。 この日アカムシを1本食べました。 |
4月15日 金曜日 |
3日目になって水カビの部分がよく着色し、ぼそぼそした感じになってきた。 |
4月16日 土曜日 |
脱皮した。 罹患した部分が浅く、薬の効果がしっかり出ていれば脱皮した皮と一緒に水カビが剥がれるのだが、 さてどうだ? |
4月17-19日 日〜火曜日 |
17日は同様に薬浴。アカムシ3本食餌。 18・19日はメチレンだけを除いて薬浴。19日にアカムシ3本食餌。 また、19日夜半に薬浴を切り、元の水槽に戻す。 元の水槽は24℃なので、この3日間で1日1℃ずつ落として27℃から24℃に下げておく。 |
今回は割と早く治り、薬浴中でも食餌、予後も良かったので一安心ですが、 あと1・2週間はまだ経過を見て、日1回の薬浴も必要でしょう。 水カビはよくある病気ですが、私自身は今のところ画一した治療法はないと思っています。 それは最初にも書きましたが、病気の進行程度や個体の抵抗力、また併発している症状にもよると思っているからです。 ここに書いた治療法も今回は上手くいったものの、日頃のカエルを観察した上で、 どれだけの治療をしていいのか判断してもなかなか良いと思われる結果は得られません。 でも、飼い主が一番よく分かっていなければいけないのですから、努めて自分で把握できる様調べていきたいと思っています。 そうそう余談ですが、今月初めに6年目のヒメツメメスが産卵不全で死にました。 (ここ数年このカエルは産卵の気配はありませんでした。今年はどうもカエル全体が少し変です。 私は地震が多いのと何か関係があるのではと密かに思ってたりしますが・・・) こんな婆さんになるとペアができるはずも無く、オスの腹押しが無かったせいなのか、 腹がパンパンになって死にました。こういう時、最善と思われる方法をご存知でしたらお教えください。 宜しくお願いします。 |
原因(追加分) | 思い出した、思い出した。2日間、餌を変えたのだった。 いつもはクリーン赤虫をやっているのだが、ショップで切れていたため無処理の赤虫を買って与えたのだった。 これは以前にも1度同じ経験をしたことがあって、クリーンでないものを与えると水カビが出たので、 ずっとやめていたのだが、もう5・6年も経って商品も改良されているかなとタカをくくったのがまずかった。 ということで安い赤虫は未来永劫うちのカエルには非常に危険であるというのが今回の教訓。 それから次回は顕微鏡写真出します。 |
ちょっと補足 | 昔々撮ったエピスチリス症(ツリガネムシ)の写真を見つけたので先に挙げときます。 ものすごく見難くて申し訳ない・・・ 経過の過程で症状が水カビと酷似。 しかしこれは完全に取り除くことは難しい代わりに悪化することもゆっくりしている。 (ツリガネムシのコロニーがこんもりしてるのに対し水カビの方は毛足が長いってな感じ。 脱皮時も水カビより綺麗に剥がれる。今回の症例は水カビにしては珍しく綺麗に剥がれているが 皮膚がえぐれたりすることがよくみられる) ←解説のつもりの図 |
追記訂正 | 前述に「エピスチリス症(ツリガネムシ)の写真を見つけたので」と書きましたが、 ちょっと気になっていたのでもう一度調べてみました。 不鮮明な写真と記憶を再度確認してみるとこれはエピスチリス属ではないので、 広義にツリガネムシ病とした方がいいと思い訂正します。(エピスチリス属は群体性) 参考文献: 「やさしい日本の淡水プランクトン図解ハンドブック」合同出版 [監修}滋賀県立衛生環境センター・一瀬諭・若林徹哉 [編集]滋賀の理科教材研究委員会 ISBN4-7726-0330-1 |