カエルの脱腸に遭遇したことはありますか?
よく大型のメスに多いと言われてますよね。
しばしば餌の大きさや量に起因したりします。
もしあなたのカエルが脱腸になってしまった時のために、
覚えておいたほうが良いことを2,3書いておきましょう。
便秘の個体は可能性があるのですが、
そうでないのも急になることがあり、
見つけるとその風体にかなり驚きます。
なにしろ尻からダラァっともしくは
風船のようにパンパンに晴れ上がって
あかしろきいろのモノが出ているわけですから。
この症状を見つけてしまったら時間との戦いです。
というのも時間が経てば腸はうっ血し腫れて固くなり
元に戻すことが難しくなるばかりでなく、
カエルが気にして肢で腸をもっと引きずり出してしまうからです。
深呼吸して気持ちを落ち着けたら次のものを用意しましょう。
* 百均で売っている自在に曲がる針金の太いもの
(総排出孔より太くてはダメ、ビニル巻きでないもの)
* アルコール綿
* 絹のハンカチ
(ザラついてなければ綿もOK)
* カルキ抜きした水
* 生理的食塩水なければ海水なければ薄い塩水
* ゾル状の潤滑剤
[鉱物質・添加剤(着色料・香料・防腐剤等)
・オイル・アルコールフリーの天然成分のもの]
* グリーンFゴールド・アクアセイフ
これだけを準備したら手をよく洗い、
針金を15〜20cm位に切り、アルコール綿でよく拭き、
なるべく先が尖らないように2つに曲げます。
ハンカチを水に浸して軽く絞り、
カエルを鼻先だけ出して包んだら下図のように持ち、
水割り生理的食塩水で腸を流し洗いした後、
溶かしたグリーンFゴールドを腸全体に塗り、
その上から潤滑剤をたっぷりつけて、
針金の曲がった方で孔に近い腸から少しずつ押し入れます。
●この時焦ってカエルを強く握らない。
また、握りが足りないと逃げられるので、
小指と親指・人差し指はある程度力を入れる。
ハンカチはクシャクシャにした感じで濡らし持つ。
(伸ばしたままだとピッタリカエルの皮膚に張り付いて
よけいもがく)
カエルの様子を伺いながら全部腸を押し込んだら、
縦がカエルの大きさくらいの入れ物に入れ、
水と生理的食塩水を半々にしたものに、
アクアセイフとグリーンFゴールドをよく溶かし、
床に居ても壁にへばりついていても
孔が隠れる程度の水位にして乾燥させないようにします。
日に2回程この水替えをしてください。
給餌は2〜10日間程絶食。
液体の栄養剤があればその後2・3日経口で投与。
今後は今までの餌では危険なので、
半分くらいの大きさのものにします。
他、注意として
●針金を曲げるのは1回だけ。
先が丸くならないからといって
曲げなおしてはダメ。
やりなおすなら新しいもので。
●腸が腫れあがって押し込めない時は、
消毒した針で突き、しょう液血液を出し、
溶かしたグリーンFゴールドを患部に塗ってから押し入れる。
栄養剤を経口投与した数日後、
カエルの動きを見て(糞をするか出し渋るかなど)
小さな餌を1,2匹与えて様子をみます。
次の糞もなるべく観察下で。
この時また脱腸しても同じ処置をします。
この一連の処置を2,3度繰り返すと、
(「慢性」ということではありません)
改善することがしばしばあります。
以降の環境はケージに戻しても中は水場だけ。
床剤・止まり木なんてあろうものなら、
それに押し付けてぐいぐい引き出しますから
何にも入れてはいけません。
でも困難な時は迷わず急いで獣医へ。
(2005.10.8)
追記
アマガエルなど小さなカエルの場合は、
ハンカチを使わずそのまま掌に乗せて施術した方が良い。
また施術後はゾル状の液体を体表に残しておかないよう
少しずつ水をかけてカエルを洗うこと。
人間の痔と同様、身体を冷やさないように。
(特に温めるということではありません)
(2006.3.31)
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