No.25b
何をもってかえってくるねん! と母にはあきれられたがとにかくバケツにぬるま湯を汲んでもらい、 うしがえるをお風呂にいれた。 あっというまに元気を取り戻して、バケツから飛び出るほどだったので 安心して池に放してやった。(自宅にけっこうおおきなひょうたん池があった) その年は池の底で冬眠したようだ。(人間だったら窒息するよ。さすがカエル) 食べるものは田んぼほどはなかったと思う。 まわりには辿って移動できるような水場はなくひもじくても動くわけにいかず…・・お気の毒。 近づくとドボンと池に飛び込み、底から光る目で様子をうかがっている。 物珍しさにタモ網をそこにめがけてすばやく差し込んでよくごきげんうかがいをした。 たいがい機嫌悪そうだった。 何年か池のふちでのほほんと暮らしていたが、いつのまにかいなくなった。 住処を移動させるということは、責任重大である。 池の周りはたんぼよりイタチに出会う確率は高かった。 未だにこれでよかったのか考えてしまう。 (ゆきびいさん筆) |
ゆきびいさんと「トノサマガエル」 |
![]() 今住んでいる所は扇状地という地形で湧き水が田んぼを潤している。 悲しいことにコンクリートで用水路を固めてしまう工事が進みせっかく水がきれいなのに、 どじょうもさわがにも住みにくいばしょになってきた。 下水整備の進み具合によっては生活廃水が流れ込んでいる所もある。 そんななかある日穴場を見つけた。周りとくらべて極端にきれいなのである。 全長20Mぐらいの用水路で湧き水だけが流れ込んでいる。 何がいたと思う? うしがえるかと見まがうほどのとのさまがえると、 イセエビのようなアメリカザリガ二……・・ べつに戦っていたわけではない。大きいのでひときわ目立つのだ。 彼らにヌシとイセエビくんと名前をつけて誰にも言わずに秘密だったが、 ある日まわりの雑草が刈り取られてからは早かった。 いなくなったのである。涙 涙 涙……・ なんでほっといてくれなかったんだよおおおおおおおお! (ゆきびいさん筆) |
出演:イチゴヤドクガエルとゾウムシ ![]() ![]() (絵をクリックすると別窓に原画が表示されます 173.8KB)
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ゆきびいさんのカエルともだち |
彼には一つ年下の弟がいる。彼が2歳の時弟が大病を患い、その入院のため、 母親と3ヶ月はなれてくらさなければならなくなった。 トラブルもなく普通に時は過ぎ弟も無事生還した。 彼が母親の実家から帰ってきたのでさっそくカエル取りに連れていったりした。 母親は私の影響でカエルを触れるようになったのだが大物は無理なようだった。 一年ほどたって母親は彼が他人と会話をせず、背が伸びないことを気にしはじめた。 病院で調べてもらったら、ホルモンの影響らしいということがわかった。 小さい頃母親と離れてすごしたことがたった3ヶ月だったのだが、 彼にはおおきな痛手だったのだ。 母親はこの時、私にかくしていたことがある。 ゆうじくんは私にだけは普通に会話をしているということを。 彼女はそれを目の当たりにして、たいそう不思議に思ってたらしい。 それを私には伝えてくれてなかったのでずっと知らないままだったし、 自分で気づくこともなかった。 カエルを介してお互い自然体でいられたので私は楽しかった。 彼はそれから徐々に大人との関わりを増やしていった。 どうやら、もう心配ないと判断されて(数年たってる)やっと種明かししてもらった。 「ゆうじはあんたとしかしゃべらへんかったんやで。 今でもあんた以外には無愛想やけど・・・」 打ち明けてしまって行動が不自然にになってはいけないと思っていままでだまってたらしい。 母親は私がおおきなカエルを怖がらずゆうじくんの好きなことをいっしょにできる唯一の他人なのだと言っていた。 子供の目線で関わることってだいじなんだなー。 勘違いしないでね。なにもいばってるんじゃないの。 こんな馬鹿なカエル好きが、その趣味が、やくにたつことってあるんだなーって感心してるんです。 (ゆきびいさん筆) |
感動しました。カエルを通して心が繋がるなんて素晴らしいですね!
これからもカエルとカエル友達の良き理解者としてご活躍を期待してます。