トノサマになったヌマッちと三重苦の三太郎




トノサマ兄弟の末っ子、一番変態の遅かったカエルがこの三太郎だった。
オタマの時から眼・脊椎に障害があり、カエルになってからは耳も奇形であることがわかった。
上陸したてはよく癲癇を起こし、硬直や呼吸停止をしたりして、目の離せないカエルであった。




尾が曲がっている


 

目の形が変            尾の先も曲がっている




左の尻と比べ右の尻が膨らんではいるが、
上陸時にはさほど問題ないように見えた

しかし・・・

上陸直後の三太郎顔側面拡大図

 

右側面(写真左)の目は多少瞳と光彩が分かれているように見えるが、
実際は瞳の中に虹彩部分が入り込んでいる。

左側面(写真右)は光彩と瞳が混沌としている感じ。
どちらも人間の眼のように白眼が目立つ。
左鼓膜はポツッと点があるだけ。両耳とも聞えていないようだ(2002.7.12)


三太郎の
チョイ技
生餌が急に触っても癲癇を起こすことはなくなったが、覚えさせるため口周りへ接触させることは超嫌みたいで、 未だに口をこじあけての強制給餌。 しかしこれは私の根負けで終わることも多く、食べたくなかったらもうテコでも食べない頑固者。 実は三太郎には奥の手があって、長期戦になると泣く。 ゲコゲコ鳴くのではない。か細く高い声で一言「イヤン」と泣く。 これを聞くと私は緊張感がふっとび腰が砕けて負けを認めざるを得ない。(2002.8.6)


上陸1ヶ月後の三太郎顔側面拡大図

 

成長するにつれ顔つきや斑紋の模様が変わるように、
眼や鼓膜の形も機能的にも少しずつ変化が出てきて、
上陸直後には何にも反応しなかった眼が、
今は右眼後方だけは光を感じているようで、
この頃までずっと強制給餌をしていたが、
明るい光のもとでは動きを察知できるようになり、
自分から口を開けて食べる行動をとるようになった


三太郎へ
チョイ技
プラケごと三太郎をゆっくり回転させると少し頭を振るようになった。 非常に明るい場所でなら、三太郎の右目後方の一部だけは光を感じることができるようだったので、 赤虫の臭いを口の周りにつけ覚えさせてから、右目後方で赤虫を振ると、 口の前に赤虫が無くても口を開けて食べる素振りをした。 そこで右目後方と口の前に赤虫をスタンバイし、右目後方の赤虫だけを振ると、 ヒット!思わず自分から食べてしまった。ざまみろ、三太郎。(2002.8.9)


口を開け自分から「食べる」ということがどんなことだか開眼したかの如く、 三太郎はその日から積極的になっていった。
私の手には馴れていたので、1日1〜2時間掌の上に居る時は、ゆっくり熟睡していたが、
その時意外は何にでもビクビクし、さまよう様に歩き回ったり、何かに怯え時々痙攣していたりした。
しかし、自分から食べるようになって2日もすると、さまようことも痙攣もなくなり、プラケースの壁をさわったりして、 周りのことに注意をはらうようになった。
(注:掌に乗せる時は接触している面へ常に水をかけて低温火傷させないようにする)

8月17日、生餌を食べられるようになった。サポートは必要だが狩りを覚えた。
少しの光の揺れと、指に触れる感覚で間合いを取っているようだ。
三太郎は頑固で、注意深く周りを把握しようとすることで、 こんなに障害があっても少しずつだがしたたかに生きようとしている。


三太郎は脊椎も曲がっているので足腰が弱い。
跳ねることはできるが、ひっくりかえってジタバタする。
(これは耳の平衡感覚も関係しているのだろう)
強化訓練で三太郎水泳教室をはじめた(2002.8.19)



でもとても恐いらしい




浅いとわかって一安心
トノサマではあるが、肢が短くてちょっとダルマっぽい三太郎



トノサマとダルマの交雑種が多く見つかるところでは、このカエルが激減していると聞く。
今回私が連れてきた卵に奇形が多かったというのは、もしかしたら代を重ねた交雑種には奇形が多く出現し、
そのため育つことができず、激減に繋がるのではないかと、そんな風にも思えるのであった。



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